2015
12.31

屋内空撮で最強ドローン? Parrot Bebop Droneを再評価してみる

ニュース

本格的な空撮ができるホビードローンとして有名なのはやはり DJI Phantom3 シリーズか、Parrot Bebop Drone の2機種に絞られるのではないでしょうか。

今回はその中でも、Parrot Bebop Drone の屋内空撮の機能性の高さについてご紹介したいと思います。

 

小型・軽量・高画質の万能ドローン

なんと言っても Bebop Drone の良さはその小型軽量の中に高画質なカメラが組み込まれていること。サイズはプロペラガードの「ハル」を取り付けても全幅330mm、重さも420g程度です。Phantom3シリーズが1280gあることを考えるととても軽量です。

DSC07396

そして何より素晴らしいのは内蔵されたカメラの機能の高さ。地デジでおなじみのフルハイビジョン(1920 × 1080px)サイズに対応し、なおかつ、デジタルジンバルともいうべき強力な手ぶれ補正機能により、撮影した動画がほとんど揺れません。これだけでも室内空撮に使うドローンとしては合格点レベルなのですが、Bebop Drone が室内空撮にオススメなのはアンチフリッカーモードを持っていることです。通常、蛍光灯の光の下で撮影をすると蛍光灯のチラつきにより画面全体がチラついて非常に見づらい映像になってしまうのですが、Bebop Drone にはこの蛍光灯のチラつきを打ち消すフィルターが付いているので、室内の蛍光灯の光の下でもとてもキレイな映像が撮れるのです。ちょっとマニアックな機能ですが、室内での撮影時にはとても重宝します。

IMG_1197Antiflickering modeで蛍光灯のチラつきを打ち消す

 

そして、実際にBebop Drone の室内空撮を取り入れた動画がこちら。Bebop Drone が発売されてから2ヶ月位たった2015年6月ごろに撮影しました。映像のキレイさもさることながら、蛍光灯のチラつきも一切ありません。そして何より映像の安定性。これはBebop Drone に装備された高機能なセンサー類も一役買っています。

 

抜群の安定性をもたらすビジョン・ポジショニング・カメラ+超音波センサー

GPSを搭載したドローンは、GPS衛星から位置情報を取得し、自機の位置を固定するようにホバリングしたり、安定した飛行を可能としています。しかし、室内ではGPS衛星からの電波を取得することが難しいため、Bebop Drone ではビジョン・ポジショニング・カメラ(垂直カメラ)という機体腹部に地面に向けて下向きに付けられたカメラが1000分の16秒ごとに映像を撮影し、前映像との比較からドローンの速度を計測することで自機の位置を固定したり、安定した飛行をサポートしています。さらに、超音波センサーによる高度分析で飛行高度を一定に保つこともできるため、先ほどのような安定した室内空撮動画を撮影することができるのです。

床の強い影やタイルの強い模様などはビジョン・ポジショニング・カメラが誤認識をするときがあるようなので注意が必要です。また、逆に何も模様がない床だと自機の動きを捉えにくいようで、動作の誤差(機体が流れる等)も発生します。そのような場合は、映像に写り込まない床にビニールテープなどで軽く模様をつけてあげると機体の動きが安定します。

IMG_1196中央左が超音波センサー、右が垂直カメラ

 

室内の撮影にクレーンを入れたり、レールを敷いたりすると、それなりにコストや時間もかかってしまいますが、Bebop Droneのような小型の高性能ドローンを活用することでそれらと同じような映像効果を得ることができます。改正航空法により、人口密集地区など屋外ではなかなか飛ばしにくくなってしまったBebop Droneですが、屋内での活用という場面では逆に活躍の場面が増えそうです。

The following two tabs change content below.
田口 厚
空撮業務やドローンのセミナー講師などをしています。旅行や出張に行くときは必ずDJI Phantom3 ProfessionalかParrot Bebop Droneを携帯し、ココロに残った風景は空撮に残しています^^ 12/10の改正航空法施行以降は毎回申請書を書かねばなりませんが、書いてでも撮りまくります!!