2017
02.02

航空機としてのドローン①

お役立ち情報

こんにちは。秋コース受講生から新たにライターの仲間入りをしたDanです。

私は、空が大好き過ぎて、有人機のパイロットライセンスも保有しています。私からはそんな視点で、みなさんに空の安全について共有していきたい。そして、ドローンでもアメリカ連邦航空局(FAA)のドローン免許も取得したため、日本とアメリカのドローンの運用の違いについても、これから共有できたら嬉しいなと思っています。よろしくお願いします。


 

「今回は、ドローン操縦士が特に気をつけなければならない一つ、空港周辺の飛行機がどのような経路で飛行するのか。アプローチチャートという航空地図を用いて、実例とともに簡潔に紹介したいと思います

その前に日本の法律のおさらいを。平成27年12月から航空法が改正され、ドローンの飛行に一定の規則が設けられたのは、皆さんご存知だと思います。それより以前にドローンを運用されている方も、今はちゃんとこのルールに従って飛ばさなければいけなくなりました。そして、なんと言ってもドローンを管轄するのは、国土交通省航空局!そう立派な航空機として扱われるようになりました

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この規制の中で、空港周辺ではドローンの運用は禁止されるようになりましたね。これによって、空港周辺でドローンを飛ばす時は、その管轄する空港事務所で承認・許可を得る必要があります。空港は、沢山のお客さんが乗った飛行機が離発着していて、これら航空機にドローンがぶつかったら大変です!そのため、この空域が飛行禁止とされているのは、当然と言えるでしょう。

ただ、時によっては、空港周辺でもドローンを運用しなければならない時も出て来ます。そこで、もし空港周辺でドローンを飛ばす必要がある時は、飛行機の飛ぶ経路を知っておくと、安全運航管理にちょっと役に立つかもしれませんよ

 


さて本題です。空港周辺で飛行機がどの様に飛んでいるか。

「最初にご紹介したアプローチチャートという航空地図。これは世界の航空機関が、パイロットに対して「このように空港に近づいて来なさい。」とか「この空港では、天気が悪い時はこうやって着陸しなさい。」と言った飛行方法や、空港周辺の注意事項を示したもので、世界共通になっています。

実はこの飛行経路が載った航空地図は「AIS JAPAN」で簡単に手に入ります

空港周辺の飛行機というのは、空港毎に決められた、離陸方法、着陸方法で飛ぶ事とされています。この情報は一般公開もされており、ネットで登録するだけで、誰でも見ることができます。では、アプローチチャート羽田空港での着陸方法の一部を見てみましょう。

approach course(for RJTT)詳細:AIS-Japan

これは、羽田空港34番左側滑走路(34L)に木更津方向から飛行機が着陸する時に使われる着陸方法を示しています。この場合、木更津付近を5000フィート(約1500m)で通過した飛行機は、3度の降下率で滑走路に向かってきます。もし、霧などで視界が悪すぎて滑走路が見えない等の時に着陸をやり直す高度は200フィート(約60m)。

以外に低いですよね。ここで、ん?と思われませんか。そうなんです。

もし、同じ霧の気象条件で、ドローンが守らなければならない高度の150m未満で飛ばしていたとしても、空港周辺では飛行機はそれ以下の高度まで飛行機は降りてきているんです。そして、着陸寸前の飛行機は一般的に失速速度の1.3倍程度までゆっくりになっています。

こんな時にドローンと衝突、、そしてエンジンにでも吸い込んで止まってしまったら、、この状態から飛行機が安全に着陸するのは難しくなるかも知れませんね。これは危ないです!ドローンが原因でこんな事故は起こってはいけませんよね。

ドローンの運用においては、この図(チャート)を完全にわかる必要はありませんが、空港周辺で飛ばすような場合、飛行機の動きをある程度把握できるようになると、安全も安心感も増しますよね。主要な読み方はネットでも探すことができますので、時間がある時にでも見てみてはいかがでしょうか。

これからも、航空機としてのドローンが空を安全に飛ぶことができるような情報、お天気、有人機と無人機の違いなんかもご提供していきますね。

 

次回をお楽しみに!

 

参考

国土交通省ウェブサイト航空局
http://www.mlit.go.jp/koku/koku_tk10_000003.html
国土交通省 AIS Japan
https://aisjapan.mlit.go.jp/Login.do

画像出典
AIS Japan(RJTT 34L)
国土交通省航空局HP(飛行のルール写真)

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Dan

Dan

FAAパイロット、ドローンパイロット、JUIDA認定インストラクター 米国の自家用操縦ライセンスと計器飛行証明を保有、飛ぶものが好きで航空機としての興味からドローンの世界へ現在は、米国の国家資格であるドローン商用ライセンスも保有している。JDMでは、ドローンの航空機としての力学、航空気象、そして海外のドローン事情を中心に記事を提供する。