2017
05.18

航空機としてのドローン⑥「飛行に危険な風を知る!」

ニュース

こんにちは、Danです。

風をよむ」ってとっても大事な事ですよね。(そんなテレビ番組がありましたが、、、)

ビジネスの世界では特に、いち早く風に乗ることは成功への道!

と言っても、今回はドローンビジネスの風を読んでガンガンとビジネスチャンスを広げましょう!

と言うお話ではありません。

お天気の「」についてです。

飛ぶものにとって、風はとても大事な要素ですよね。風が強いとドローンの飛行はできませんよね。

今回は、その中でもちょっと気をつけなければいけないとても強い風について共有したいと思います。

みなさんは、「ダウンバースト」と言われる言葉を聞いたことがありますか?

これは、乱気流の一種で非常に強い下降気流のことをいいます。

この下降気流は、一度発生すると、大型旅客機でも着陸体制の場合などは体勢を立て直すのが非常に困難と言われているほど怖い気象現象なんです。

※1:08位から、このダウンバーストの様子が良く分かります。安定して侵入してきた飛行機の体制が、地上付近で急激に不安定になります。

 

では、この「ダウンバースト」、ドローンの運用にどんな影響があるでしょうか!

まず「ダウンバースト」ってそもそも何なの?って言うところから整理してみましょう。

「ダウンバースト」は、積乱雲や積雲から下方に向けて吹き降ろす爆発的エネルギーをもった下降気流で、この雲から直下に向かって吹き降ろした風は、地上にぶつかると周辺で放射状に広がります。

この広がりの範囲は、周囲4kmを境に呼び方が分けられていて、

小さいものを「マイクロバースト」、

大きいものを「マクロバースト」

と呼んでいます。

ドローンの飛行範囲であれば、マイクロバーストが特に飛行に影響を与えるかもしれません。

そして、地上では、これが発生する直前に気温が急激に下がるのも特徴のひとつです。

夏の暑い日に、積乱雲が近くで発生していると、急に涼しくなって、風が強くなることを感じたことはないですか?あれが、ダウンバーストを体感している時です!

この時の地上付近の風速は、20m/s~30m/sとも言われています。

地上付近でこの風速の風が吹くと、たとえばDJI社のPhantomシリーズなどの風速耐性は10m/sなのでドローンを飛ばすことは非常に難しい気象条件ですよね。

そして、映像でも見られるとおり、ドローンを飛行させるのと同じくらいの高度でも発生するんです。

この中にドローンが入ってしまったら、、

当然、機体制御を失うことになり、最悪の場合は墜落する危険性も当然あります。

実際の航空機の場合は、最近ではこの種の乱気流を検知する計器が備えられて、地上でも専用の解析を行うなど安全策が強化されています。

ドローンを運用する私たちパイロットは、このダウンバーストをどのように気を付けて対策をしたらいいのでしょうか。

対策は、二つ考えられます。

 

一つ目は、以前ここJDMでもご紹介しましが、事前に常に空で何が起きているかを知ることです!

航空気象情報を可能な限り調べてみましょう。

ドローンの飛行空域とマッチしてなくても、近郊に空港がある場合は、その周辺の気象を知ることはとても大事です。

航空機としてのドローン②

二つ目は、地上で、風向や風速が急激に変わったな思った時、気温が急激に下がった時は要注意です。

さっきまで、暖かったのに気温が急激に下がって来たなと感じた時は、天気も急激に変わる兆候です。

こんな時は、風がまだ強くなっていなくても機体を迷わず着陸させましょう!

ちなみに、このマイクロバーストは、晴天でも発生する可能性があります。

いずれにしても、少しでも風の動きや、気温の変化を感じた時は躊躇なく飛行を中止することが、パイロットとして必要な判断だと思います。

ダウンバーストは、とても予測が難しい気象状況とされています。

安全にドローンを運用させるためには、この様な気象状況もあるんだと、知っておくことで安全な運用ができるようになります。

特に夏にかけては、マイクロバーストを含む下降気流の発生原因ともなる積乱雲や積雲の発生が多くなってきます。

飛行させる時は、気象状況を十分に確認して、安全飛行に努めましょう!

それでは、次回もお楽しみに

Have a safe Flight!

参考 気象庁:http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kouku/2_kannsoku/23_draw/index8.html

画像出典

「雲が好き」:http://theclouds.exblog.jp/page/2/

 

 

 

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Dan

Dan

FAAパイロット、ドローンパイロット、JUIDA認定インストラクター 米国の自家用操縦ライセンスと計器飛行証明を保有、飛ぶものが好きで航空機としての興味からドローンの世界へ現在は、米国の国家資格であるドローン商用ライセンスも保有している。JDMでは、ドローンの航空機としての力学、航空気象、そして海外のドローン事情を中心に記事を提供する。