12.12
【改正航空法】知らないうちに改正航空法違反にならないためのおさらい
12月10日の改正航空法施行により、国土交通省が定めるドローン(400g以上の無人航空機)の飛行禁止区域や、飛行ルールを外れた飛行方法は、国土交通大臣の承認無しに飛行させることができなくなりました。
承認を得るには、定められた「許可・承認申請書」を作成し、国土交通省や航空局に提出しなくてはならないのですが、申請書の作成は一般の方ではなかなか難しいところもあるので、こちらで一度流れをおさらいしたいと思います。
1.ドローンを飛行させる場所が飛行禁止区域でないか確認する
まず、自分がドローンを飛行させる場所が飛行禁止区域でないか確認しましょう。
(A)空港等の周辺の上空
空港の周辺上空は許可を得ないと飛行させることができません。飛行禁止区域は空港によって異なりますので、自分が飛行させたい地域周辺の空港の飛行禁止区域は下記より個別に確認してください。
◯進入表面等の設定状況(国土交通省)
(B)150m以上の高さの空域
飛行高度は150m未満を保つ必要があります。150mを超える空域を飛行させる場合は申請が必要になります。
(C)人口集中地区の上空
平成22年の国勢調査で「人口集中地区」に指定された地区上空は飛行させることはできません。飛行させる場所が私有地であっても人口集中地区内であれば飛行できませんのでご注意ください。人口集中地区は、下記のサイトより確認することができます。
◯平成22年国勢調査人口集中地区境界線
2.ドローンの飛行方法を確認する
下記の飛行ルールを外れた方法でドローンを飛行させる場合は、申請が必要になります。注意しないと、知らず知らずのうちにルールを外れていることがあるので気をつけてください!
[1]日中(日出から日没まで)に飛行させること
地域・時期によってことなりますので確認が必要です。Googleで「地域名 日の出」のように検索すると調べられます。
[2]目視(直接肉眼による)範囲内で無人航空機とその周囲を常時監視して飛行させること
iPadやスマホなどの画面映像を見ることは目視外飛行にあたってしまいますのでご注意ください(バッテリー残量等の表示をチラ見するくらいはOK)。この件に関してはユーザー側からするとモニタ映像を見ないことがかえって危険な飛行になりますが、現状(12/12現在)の国土交通省の見解は上記のとおりです。国土交通省の方々には正しい情報を伝えていきたいと考えています。
[3]人(第三者)又は物件(第三者の建物、自動車など)との間に30m以上の距離を保って飛行させること
関係者以外の人や物件とは常に30m以上の距離を保たなくてはなりません。飛行時はもちろん、離着陸時も同様です。また、「物件」には電信柱や電線も含まれますので、よほど広いところで離着陸しないかぎりはルールを外れます。
[4]祭礼、縁日など多数の人が集まる催しの上空で飛行させないこと
安全を考えた場合、当然のルールだと思います。申請によって飛行の許可を得ようとする場合も、墜落防止のさまざまな対策を求められます(有事の際の予備バッテリー自動切り替えや急速落下防止パラシュートの設置等)。
[5]爆発物など危険物を輸送しないこと
テロはダメです。
[6]無人航空機から物を投下しないこと
マシュマロもアンパンもダメです。
※谷プラスワンさんも屋外用に申請書作成中とのことです。
3.許可・承認申請書を作る流れ
前出の1,2にひとつでも引っかかる人は、国土交通大臣の承認をいただかないとドローンを飛ばすことはできません。逆に言えば、申請が通れば、合法的に承認された範囲内で自由に飛ばすことができますので、承認をもらいましょう!!
(1)申請書がどんなものか確認する
何はともあれ、どのようなものを作成しなくてはならないのか確認しましょう。下記に記入例がありますのでダウンロードしてみてください。
◯許可・承認申請書記載例
(2)要項で各項目のポイント・意図を確認する
どのような基準で審査がされるのか、申請書の内容・意図を確認します。それぞれ、飛行禁止区域や飛行ルールの項目ごとに意図や対策方法例がありますので、熟読してみてください。基本的には、自分が飛行させるにあたって外れてしまう基準に対して、どのような安全対策をするのか…ということをマニュアルにまとめるイメージです。
◯無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領(概要)
◯無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領(本文)
(3)申請方法を確認する
基本的に申請は書類の郵送になります。インターネット申請も準備中…とのことですが、少し時間がかかると思われます。そのかわり、(1)の「許可・承認申請書記載例」に国土交通省の許可・承認担当官のメールアドレスがあり、そちらの窓口で書類の内容を確認していただくことができます。見ていただくと修正の指示もいただけるので、この流れの中で書類を作り上げれば申請の承認⇒正式書類を郵送⇒正式承認ということになります。
◯無人航空機の飛行に関する許可・承認に係る申請方法
(4)申請書を作成する
Microsoft Word形式の申請書類が用意されていますので、こちらをダウンロードして申請書を作成します。
◯無人航空機の飛行に関する許可・承認申請書(Word)
以上が申請書の作成手順となります。改正航空法に違反すると、50万円以下の罰金となりますのでご注意ください。
では、安全なドローンフライトを!
田口 厚
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