2017
03.30

航空機としてのドローンシリーズ④「高度」をちゃんと知っておこう!【2週目】

お役立ち情報

こんにちは、Dan です。
先週からの引き続き、今週も「高度」についてスポットを当てて見たいと思います。
高度って、いろいろな種類があることを書いてみました。

先週は、ちょっと馴染みがない言葉も出てきましたよね。
でも「こんなことがあるんだ!」と、いつか、どこかで気になったりすることが大事!
安全”に気付けるかが事故の防止にもつながりますからね。

2週目の今回は、「密度高度」を知ることが、大事な理由にスポットを当ててみたいと思います。

みなさんも知っていると思いますが、ドローンの革新のスピードは驚くほど速く、最近は旅行やちょっとした仕事もできちゃうくらいの、持ち運びしやすいものが出てきましたね。
DJI社製のMavic Proは、その代表作ですね。

ここまで身近になってくると、たとえばアドベンチャーの様な高山に行って、山の壮大な景色を空撮!
なんて言うこともできちゃいます。

最高です!!

 

先日幕張メッセで行われた展示会JapanDrone2017のMovieコンテストの優秀賞の映像も壮大な山の映像でした。
本当に素晴らしい映像でした!

(Movieコンテストの優秀賞作品)

 

実は、この山の上高地でドローンを飛ばす時に、パイロットとして気を付けるポイントがあるんですよ!

それが高度です。

山は高度が高いから、最大高度にも近くなるからあったりまえじゃん!と思っちゃいました?
いえいえ、今回は、ドローンのカタログベースの最大高度に気を付けましょう!と言うことではなく、ポイントは「密度高度」です。

ここですこし、飛ぶと言うことの基本的なことのおさらいをしてみましょう!

ドローンも含め、航空機が飛ぶ仕組みは、翼の作り出す「揚力」によって機体が浮きあがっていることは、みなさんご存知かと思います。
この揚力は、翼の上を流れる空気の速さと、翼の下を流れる空気の速さの違いから、翼の上側が気圧が低くなることから発生されます。
この時とっても大事なのが、適切な密度の空気が翼の周りを流れているということです。

もし、空気の密度が薄いと、翼の上下に流れる空気の密度差が十分に発生しなくなります。
結果的に、翼は十分な揚力が得られなくなり、機体は浮上することが出来ません。

これが、飛ぶことの原理でした。

山の上や高地は確かに、空気の密度が薄いです。
ということは、揚力に影響を与えることになります。
でも、実はまだまだ空気の密度が薄くなる条件がありましたね。
前回もお話した、気温も空気の膨張と関係していました!
気温が高くなると空気が膨張して密度は薄くなります。
つまり、気温が高い日は、高い山の上と同じような空気の状態になっているんです。

例えば、こう言うことです。。。

ドローンを海抜1350mのところで高度150mで飛行させ、合計で海抜1500mを飛行していたとします。
この日の気温が30度だとしましょう。

密度高度を換算すると、なんと機体は、海抜約2300m上空を飛行して
いるのと同じ状態になるんです。空気の膨張ってすごいんです。
こんなにも高度の概念が変わってくるんですよ。

たとえば、DJI MAVIC Proの限界最大高度は、海抜で5000mですが、もし気温30度で飛行させていると、その時、機体は海抜高度約6400mを飛んでいるような状態になっていると言うことです。

そうなると、機体の揚力と言った飛行に大事な性能が十分に発揮できず、最悪の場合、墜落の危険性もでてきます。

本当に怖いんです!

今回、特に私が気にして欲しかったことは、「気温が高い」時は航空機の飛行に注意が必要!ということなんです。(これは実機でも同様です。)

実際に、どれだけ飛行性能が落ちるかは、無料の計算サイトもあるので暑いところで飛ばされる時は、確認してみることもおススメです。

https://wahiduddin.net/calc/calc_da.htm
そうそう、逆に冬は飛行性能が良くなりますよ!
寒いですけどね(笑)

初めてこの概念を聞くと中々理解するのは難しいですよね。
でも、実はとても重要な知識であったりします。
これから、春になり気温も上がってきて過ごしやすい季節になってきます。
暑い日は、こんな事も気にしながらこれからの桜の素敵な映像を撮って見てはいかがですか?
では、また次回をお楽しみに

Have a safe flight!

 

画像出典
OKコラム : http://kagaku.okcoram.jp/kagaku38.html
DJI Japan : https://www.dji.com/jp

 

ドローンスクールお問合せはこちら
http://www.dronesschool.jp/

ドローンレンタルお問合せはこちら
http://www.rental-drone.jp/

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Dan

Dan

FAAパイロット、ドローンパイロット、JUIDA認定インストラクター 米国の自家用操縦ライセンスと計器飛行証明を保有、飛ぶものが好きで航空機としての興味からドローンの世界へ現在は、米国の国家資格であるドローン商用ライセンスも保有している。JDMでは、ドローンの航空機としての力学、航空気象、そして海外のドローン事情を中心に記事を提供する。