04.10
ドローンによる動画データの完全秘匿中継技術を開発
こんにちわ!makoです。
国立研究開発法人情報通信研究機構(以下、NICT)の量子ICT先端開発センターは、株式会社プロドローン(以下、プロドローン)と共同で、撮影ドローンが写した動画データを、中継ドローンを介して完全秘匿したまま無線局免許不要の市販のWi-Fi機器を用いて伝送する技術を開発しました。
ドローンの制御やデータ通信に使われる無線通信は、傍受や干渉、電波妨害の影響を受けやすく、データの欠損等が頻繁に発生してしまいます。
NICTとプロドローンはワンタイムパッド暗号(原理的に解読されない暗号方式)によってドローンの制御通信だけでなく容量の大きい動画データまでも完全秘匿化し、さらに、カバレッジホール(電波が直接届かない場所)まで中継ドローンを介して安全にデータ中継する技術を開発しました。
◆ドローンによる動画データの完全秘匿中継技術の概要
屋外のテストフィールドにおいて行った実験では、ドローンによる上空からの監視業務を模擬し、撮影ドローンからの映像を中継ドローンを介して地上局で受信するという状況で行いました。2.4GHz周波数帯のWi-Fi機器を用いて、撮影ドローンから中継ドローンを介し地上局まで毎秒1,200万ビットの速度(12Mbps)で、監視カメラの動画データを完全秘匿化したまま中継伝送できることを実証しました。
◆ 屋外フィールド実験の機器構成 (左から、撮影ドローン、中継ドローン、地上局)
◆屋外フィールド実験での機器位置関係
また、災害により倒壊危険が生じた重要施設内での探索業務を模擬し、室外の地上局から視覚的に隔離された撮影ドローンで取得した画像データを、中継ドローンを介して、地上局で受信するという状況で行いました。こちらも通信速度12Mbpsで動画データを完全秘匿化したまま中継伝送できることを実証しました。
◆屋内実験での機器位置関係
撮影・中継ドローンを複数機配置することで、秘匿性の高い広域なネットワークを、即座に提供することができるようになるため、今後は、重要施設の監視などの用途に広く活用できるとのことです。
<参照サイト>
https://www.nict.go.jp/press/2017/03/22-1.html
由村育美
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